氷菓少年は天然少女にかなわない
春夜と佐助は、港平と南といつの間にか仲良くなってすっかり打ち解け、雑談しながら、テーブルに用意されたものを食いつくし、次から次へと飲み物やらクッキーを梨久が運んでいる。



言わば雑用である。



「そろそろ交流会も終わりか……やっと、開放される」



個人的には授業を受けている方が何倍も楽だと梨久は思いながら、各テーブルを回っていると黒宮が、春夜たちのテーブルに近づき港平と突然握手を交わす。



「黒宮仙人お久しぶりです!」

「ああ、我が同士よ。遅くなって悪い、各テーブルを回ってたんだ。今からオタトークするか?」

「はい!黒宮仙人!」

「ああ、オールしよう!」



梨久は見てはいけないものを見た気がして、視線を外し何事もなかったように自分の仕事に専念をする。



春夜と佐助は苦笑しながら、お互いを見た。



こうして今日も、一日は終わってゆくのだった。



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