氷菓少年は天然少女にかなわない
「やあお待たせ!みんなのアイドル黒宮先生だぞ……って、なんだよ?梅雨みたいにこのじめじめした教室は」



黒宮が首を傾げる。



「くろがテンション高いから引いてるんじゃない?いくらなんでも、アイドルはないって〜」

「ふっ。悠長にしていられるのも、今のうちだぞ?宮原」



教室の中がガヤガヤし始める。そして、黒宮はチョークで黒板に何やら書き始めた。



「今回のテストと夏休み前のテストで、赤点を取った者は……夏休みは補習。よって、夏休みは無し。黒宮先生と毎日楽しいデート……って。ええええっ!!?」



佐助の最後の叫び声が、教室全体に響き渡り、寝ていた春夜までもが起きた。



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