氷菓少年は天然少女にかなわない
まだ続きそうな黒宮の話を梨久が遮った。



「ツインテールが……」

「黒宮先生、話脱線してます」

「少しぐらい趣味の話したっていいだろ」

「時間の問題ですよ」



相変わらず容赦ない言葉を受け、渋々黒宮は廊下に待たせている転校生を呼ぶ。



「神無月入ってくれ」



教室の戸が開き、キャラメル色のツインテールの少女が入って来た。



「お〜確かに黒宮のいうとおり、美少女ゲームとか美少女アニメに出てくる萌えキャラかも!」

「え。お前も黒宮と仲間なわけ……?」



周りがざわめく中、梨久だけが顔を背け窓の外を見ていた。



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