氷菓少年は天然少女にかなわない
いい笑顔を浮かべる黒宮。本性を知る者は、一同に詐欺師と言う。



「ご迷惑おかけしてすみません。年甲斐もなく、ちょっと熱くなってしまって」

「わ、わかればいいんですわかれば。毎度騒がしいんですから、いい加減学習してくださいね。では」



嵐が去った如くまた再び静まり返る教室。



そんな中何事もなかったように、時計を見た黒宮が。



「お、もう時間か。早く教科書しまえよ」



再び騒がしくなるクラスメイトたち。



「俺の夏休み終わったわ……マジで」

「オタクロと夏休みデートなんて嫌だし!泣くし!」



ついには動かなくなった佐助。



「赤点だけは取るなよ。ギリギリでいいから」



軽くため息をつく俊哉。



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