氷菓少年は天然少女にかなわない
保健室に駆け込むと梨久は起きてて、窓の外をぼんやりと見つめていた。



「……また思い詰めた顔しやがって。何のための、幼なじみだよ」



春夜は愚痴を零しつつも、梨久の隣に腰を下ろす。



「で、行かない理由は?」

「別に……そんな気分じゃないだけ」

「ふーん?俺はてっきり俊哉かと思ったけど?」

「……普段はバカなのに、こーいう時だけ冴えてるね」

「ほっとけよ」



幼なじみだからできるやり取りかもしれない。



梨久は少し考え、それから簡単に話した。



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