氷菓少年は天然少女にかなわない
固唾を飲んで一同は見守る。ただし、春夜と黒宮を除いては。



「お名前なんですか?」

「……なんで、アンタに教えなきゃいけないわけ?」



梨久の冷たい口調にひるむ様子もなく、にこにこしている。



「だって、クラスメイトでしょう?」

「だからと言って答える必要性ないだろ、それにオレ、女嫌いなんだよね」



今度こそ話しかけてこないだろう、と梨久は思い視線を窓の外へ戻す。



しかし、次の瞬間梨久の予想は見事撃沈した。



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