俺の彼女は,隣の男と浮気中!?【短編】
小さくつぶやいたその声に、
もうどうしようもないくらいの感情がわきあがった。

うれしすぎる。

夕菜ちゃんが俺のために働いてーー。俺にプレゼントを渡すために。

なのに、俺ってやつは。

「たっちゃんが、浮気疑ったのは仕方ないと思う。あたし、今まで働いたことなんてなくて。いざ働いてみたらもう疲れちゃって。ストレスもたまるし、精神的に全然余裕なかったの。

松尾さんーー。あの隣の男の人は偶然あたしのバイトしてるとこにきて、仲良くなったから仕事の愚痴とかきいてもらったり。
あとね、たっちゃんの誕生日が近いから、たっちゃんの誕生日、何あげたらいいかわからなくて、同じ男である松尾さんに、相談してたんだよ。」


なんだ、そうだったのかーー。

俺はそんな裏事情を知るはずもなく。

すごい剣幕で、ふたりの間に現れた俺って。かなり恥ずかしいやつーー。


しかも、ニート男や、友人も巻き添えにして。もっとじっとしていれば良かった。そしたら、夕菜ちゃんのサプライズ
も成功したはずだったのにーー。


「夕菜ちゃん、ありがとう。ほんとうに嬉しいよ。疑ってごめんね。あの男にも悪いことしちゃったかな。」


「ううん、たっちゃんのためだもん。松尾くん、優しいしわかってるから、大丈夫だよ」

「そうかな?」

「うん。」

夕菜ちゃんが、ぎゅうってしてきたから、俺もぎゅうって抱きしめた。
夕菜ちゃんの小さな身体は、俺の腕の中にすっぽりおさまった。

懐かしすぎるこの感触に、離したくないとおもった。







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