乱華~羽をくれた君~【完】
倉庫の脇を通り抜けると、眩しい光があたし達を照らした。
バイクは数え切れないくらいあった。他にも高そうな車が何台か停まっている。
男ばかりではなく、女の子も結構いるようだ。
金髪や、坊主で反りこみを入れてる人、色とりどりの特攻服を着て、いかにもヤンキーって感じの人達がいっぱい。
その光景に見入ってしまう。
…あたしダサいかも…
髪も黒いし、普通の格好で来てしまった自分が恥ずかしい。
栞は色んな人達に声を掛けられ、楽しげに話をしている。
そんな様子が少し羨ましく感じた。
栞と同じ制服の女子高生達もいる。その中の茶髪で巻き髪の派手な女の子が栞に近寄ってきた。
「栞〜、今日あれやる?」
「やるやる!」
目を輝かせながら栞はその子を見ている。
あれってなんだろ・・
そんなことを思っていると、その女の子と目が合った。
「あれ?この子誰?」
「あ、同中だった友達ー!奈緒っていうの。カワイイでしょ!?よろしくねぇ!」
栞はそう言い、あたしの腕をぐいっと引っ張る。
「・・ふーん。あたしは理香子。よろしくぅー」