乱華~羽をくれた君~【完】

義父



あの日以来、あたし達は必要最低限の会話しかしていない。


陸さんは家にいる時間も少なくなった。


あたしが学校から帰ると、どこかへ行ってしまう。

行き先を聞いても友達んちだと言うだけ。

あたしもそれ以上は聞けない。


あの日のこと、後悔した事もあった。

なんであんなこと言ってしまったんだろう・・・

広樹さんに聞かなければよかった。


聞かなければ今も普通に陸さんと笑いあえていたのかなって・・・



でも、聞かなければあたしはずっと陸さんの過去に背を向けて過ごすことになる。


それも嫌だった。


あたしは胸元にある陸さんからもらったネックレスを、ぎゅっと握った。


陸さんに買ったプレゼントはまだ渡せずにいる。


あの綺麗にラッピングされたプレゼントは引き出しの奥にしまったままだ。


いつか受取ってくれる日がくるはず。


そして百合さんの事話してくれる日も、いつかきっと来ると信じてる。


そしたらあたしもどんな結果になろうとも受け入れよう。


大好きな人だから。


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