乱華~羽をくれた君~【完】
「・・・なに・・・これ・・・」
「奈緒が逃げるから悪いんだろう?
こうしておけば、ずっとお父さんといれるじゃないか。
お前だってこの家に戻ってきたかったんじゃないのか・・?」
「こんなことして許されると思ってんの・・・?犯罪だよ?」
義父は大声で笑う。
「はっはっはっは・・・自分の子供をそばに置いて何が悪い?これも教育の一つだよ」
完全に狂ってる・・・
義父の目は尋常じゃないくらい充血している。
額には前にあたしが灰皿で殴った時の傷あとのようなものが残っている。
「この傷か・・・?そうだよ、奈緒がつけた愛のしるしだよ。
このおかげでお父さんは目が覚めたんだから。
一番大事なのは誰か・・・母さんではなく、お前なんだとな」
「・・・お・・・かあさんは・・・?」
「母さんにそのことを告げたんだ。
そしたらショックだったのか倒れてしまってな・・・
今は入院している。悪いと思ってるがこの思いだけはどうしても止まらないんだよ」
義父は立ちあがり、あたしの顎を掴むと乱暴に唇を奪った。