乱華~羽をくれた君~【完】



気持ち悪い…!!

呼吸ができない!!

陸さんっ!!!


あたしは義父を力いっぱい跳ね除けた。




「はぁ・・・はぁ・・・」


「・・・っふ、まぁいい。これからは毎日可愛がってやれるしな」



ぞっとする。



早くここから脱出しなきゃ・・・


携帯・・・


ポケットをいくら探しても携帯が見つからない。



「ねぇ・・・携帯・・・あたしの携帯は!?」



「ああ・・・あんなもの捨てたよ。お前には必要ないだろう?お父さんがいればいいじゃないか」



全身に血の気が引いて行くのがわかった。



携帯がなきゃ・・・

助けを呼べない・・・

連絡がとれない・・・

栞とも・・・


陸さんとも・・・




絶望的だった。



< 110 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop