乱華~羽をくれた君~【完】
その夜は眠れなかった。
義父はあたしの隣にもうひとつベッドを置き、そこで眠っている。
同じ部屋にいることを考えただけでも頭がおかしくなりそうだ。
携帯、どこに捨てたんだろう。
鎖でつながれているため、トイレに行くにも、なにをするにもこの男に言わなければならなかった。
これでは探すこともできない。
これから先ずっとこのままだったらどうしよう。
そしたら…
死んだ方がマシ。
最悪な事も考えた。
頭に浮かぶのは陸さんのことばかりで。
こんな事なら嫌われてでも陸さんともっとちゃんと向き合っていればよかった。
あたしの気持ち、もっと伝えたかった。
さっき気を失っていた時、夢の中で陸さんに会った。
笑顔であたしがあげたネックレスをしてくれてた。
せめて・・・
あのネックレス渡したかったな・・・
涙が頬を伝った。