乱華~羽をくれた君~【完】
あたし達は家からそんなに離れていない公園まで全力疾走し、ベンチに座った。
「はぁーーーーー疲れた!!」
栞がどかっとベンチに座ったのであたしもその横にそっと座った。
「2人とも大丈夫かな・・・」
「大丈夫!サツ呼んどいたから!そろそろ来る頃だよ」
栞はにっこり笑った。
「栞・・・なんかごめんね・・・」
「え!?なんでー??
奈緒が何も連絡よこさずにドタキャンなんてしたことなかったし、する子じゃないってわかってたからさ〜変だと思って亮と陸さんちに行ったんだよね。
そしたら陸さんも知らないっていうし。マジあせったよー!!」
栞はあたしを安心させようとしてくれているのか、終始笑顔で話していた。
「昨日学校の近くで誰かともめてたってゆーのを、奈緒の学校の子に聞いてさ。
奈緒、親と喧嘩してたじゃん?
家出してたし・・・だからもしかしてーって思ってさ」
「・・・そうなんだ・・・」
恐怖から逃れられて安心したのか、急に涙が出てきた。
そんなあたしを栞はそっと抱きしめてくれる。