乱華~羽をくれた君~【完】
亮輔さんは笑うと歯がかけていた。
・・・前にシンナーとかやると歯が溶けるっていうのをTVで見たことあるけど、そのせいだったりして。
「よっ宜しくお願いします・・・」
ちょっと怖くなり、栞に寄り添った。
「奈緒ってば怖くないからぁ!」
栞は口に手をあて、大笑いしていた。
「えー!?俺全然怖くないよぉ!?」
亮輔さんも笑ってあたしの顔を覗き込んできた。
すると亮輔さんの背後から、もう一人男が歩いてきた。
周りの人たちがみんな頭を下げていて、女子からは黄色い声が聞こえてくる。
その威圧感とオーラで、どんな立場の人なのかがすぐにわかった。
「奈緒!奈緒!!あの人だよ!桐谷陸さんてゆーんだけどっ族の頭でね、やばいかっこいいんだよ!亮とタメなんだけど雰囲気が大人っぽくてさぁ・・ああ見えて優しくていい人なんだって~!ね、かっこよくない!?」
興奮しているのか、栞は早口であたしに言ってくる。
でも、その桐谷陸という男からあたしは目が離せなくなった。
栞が言うように、やばいくらいかっこいい。