乱華~羽をくれた君~【完】
〜♪♪
栞の携帯が鳴った。
「はい・・・うん、うん・・・わかった。」
「・・・亮輔さん?」
「うん。奈緒のお義父さん警察に連行されたって。
それで奈緒にも事情聞きたいって言ってるらしいんだけど・・・行ける?
あたしもついて行くから・・」
警察か・・・
「・・・うん。行く」
あたしたちはタクシーで警察署へ向かった。
着くと署の前で陸さんと亮輔さんが数人の警察官と話をしていた。
「藤沢・・・奈緒さんですか?」
その中の一人の警察官があたしに気づき、訪ねてきた。
「はい・・・」
「じゃあお話聞きたいので一緒にきてください」
警察官の後ろをついて行こうとした時、陸さんが言った。
「・・・ここで待ってっから」
振り返ると陸さんがあたしを見つめている。
ちゃんとあたしの事を見てくれたのは何日ぶりなんだろう。
「うん・・・」
そう一言返し、あたしは署の中へ入った。