乱華~羽をくれた君~【完】



会議室のような所に通され、数枚の書類を書かせられた。


目の前にはその書類を見ながらカタカタとパソコンを打つ警察官。


異様な雰囲気の中、思い出すのも嫌だったがあの男のことをひとつひとつ話しした。


一時間ほどで事情聴取が終わった。


署から、義父は強姦罪と致傷罪で3年以上の有期懲役になるかもしれないと言われた。


3年なんて足りない…

今まであいつがあたしにやってきたことは決して許されることではない。


義父には一生刑務所で罪を償ってほしいくらい。


そしてもう二度とあたしの前に現れないでほしい・・・





警察署を出ると門の脇で陸さんが待っていた。


栞たちはいない。


「陸さん!」


「・・・終わったのか?」


「うん・・・栞たちは?」


「ああ先に帰ってもらった。オレいるし・・・栞があとで連絡くれだと」


「うん・・・わかった」


「・・・あっちに単車とめてっから」



そう言って陸さんは歩きだした。


陸さんの足元を見ると吸殻が沢山落ちていた。


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