乱華~羽をくれた君~【完】
警察署から少し離れた公園の脇に陸さんの愛車はあった。
「サツに見つかんねーように停めんの大変だったんだぞ?名前も嘘言ったし―・・」
陸さんが振り返り、笑って言った。
「なんで・・?」
「乱華の頭ってバレるだろ?これみれば・・・そしたら俺も捕まっかもね」
そうケラケラ笑っていたが、あたしは笑えなかった。
陸さんはそんなあたしに、単車に掛けていた黒のメットを頭にかぶせた。
「乗れよ」
そう一言あたしに言い、バイクにまたいだ。
陸さんのバイクに乗るのは久々でドキドキする。
初めて陸さんのバイクに乗った時のような気分。
背中から感じる温かいぬくもりが懐かしい。
これは夢じゃないんだよね・・・?