乱華~羽をくれた君~【完】
陸さんはソファーに座ると、バイクの雑誌をパラパラとめくった。
「陸さん・・・今日はありがとう・・・」
そう言い、ソファーの端にあたしも座った。
「んー」
沈黙が続く。
何から話したらいいのか。
義父の事なんて人に話したことないから、どう切り出していいのかわからない。
「あ・・・あの人ね、本当のお父さんじゃないの。
お母さんの再婚相手で、小学校の時から一緒に住んでるんだけど・・・」
目線は雑誌に向けられたまま。
なんだか悲しくなってきた。
本当にあたしには興味ないのかも。
ならなんであたしなんかを助けてくれたの・・・?
栞の友達だから?
一応まだ彼女だから・・・?
「昔からあーゆう人でさ、すぐキレやすいしお母さんもどこがよくて結婚したんだか・・・あはは。
やっぱお金につられたのかな・・・ははは」
一人で何言ってんだろ。
馬鹿みたい・・・
やばい。
涙でそう。
涙で陸さんがかすんで見えた。
・・・・・バサッ!!!
雑誌が床に落ちた。
その瞬間、陸さんがあたしの肩を抱き寄せた。