乱華~羽をくれた君~【完】
180cmはあるだろうか、その長身に栗色の肩近くまである髪が、単車のライトに当たってキラキラしている。
黒い特攻服には白い刺繍で文字が綴られていた。
特攻服の裾が風になびいていて、まるで黒い羽をつけているように見える。
あまりの格好良さに、あたしの胸が高鳴った。
なにこの人・・・
すごい吸い込まれそう・・
「亮。新しい特攻服できたって。今矢上から電話きた」
「あ、まじでーサンキュー!」
桐谷陸という男は、あたしと栞に見向きもせず、亮輔さんと話しだした。
こんなかっこいいひと、TVや雑誌でしか見たことない。
芸能人並みの格好よさだ。
「・・かっこいいでしょ?!陸さんて!」
栞が耳元でこそっと言った。あたしは頷くだけで精一杯。
凝視しているとそれに気づいたのか、桐谷陸と目が合ってしまった。
こっちに近づいてくる・・
どうしよう!!!
神様~!!!!!
仏様~!!!!!
HELPME~!!