乱華~羽をくれた君~【完】


「陸・・・?」


振り返ると百合が立っていた。

夏休み前から会っていないから半年ぶりくらいだろうか。

懐かしい笑顔がそこにあった。



「陸!!心配したんだからねー!」


百合は思いっきり俺の背中を叩いてきた。



「いってぇーよ・・・!」


「陸・・・変わった。背伸びたね?金髪だし長いし、最初わかんなかった」


「そうか?お前は・・・かわんねーな」


「それって変わらず可愛いってことー??」


「いや、相変わらずガキくせーってこと」


「はぁ!?なにそれー!!!」




百合が笑っていて安心した。

本当なんも変わりねーじゃん。

広樹が、百合が寂しそうにしてたっていうから気になったものの、元気じゃん。



「陸、今日から学校来るの?」


「・・・いや、物取りに来ただけ。すぐ帰る」


「そっか‥・・じゃあさ、あたしも帰る!一緒に帰ろう!?」



一瞬暗い顔になったかと思えばすぐいつもの明るい百合に戻った。


< 136 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop