乱華~羽をくれた君~【完】
「はぁ?今日始業式だぞ?」
「いいのいいの。陸と久々に会えたんだもん。話したいこと沢山あるし。」
「俺は話したいことなんてねーよ?」
「もーバカ!」
そう言い、軽く俺の肩にパンチしてきた。
こういうのがいい。
百合とはずっとこんな風に友達でいたい。
この関係は壊さないでいたい。
昇降口に行くまでの間も、通りすがりの奴らが俺たちを見てくる。
でも百合はずっと笑顔で、他愛もない話を続けていた。
「・・・そいつあんたの男なの?」
どこからともなく女の声が聞こえた。
すると百合が急に強張った表情になった。
声のする方を見ると、2年の女子が3人並んで立っていた。
腕を組み、こっちを睨んでいる。
「あ?」
俺の言葉にその中の一人が驚いた。
「あ!こいつ!この前の・・・!!」
3人がこそこそと話し始めた。
「なんなんだよ?」
俺が近付いていくと3人は足早にその場から去って行った。