乱華~羽をくれた君~【完】


「栞、久しぶりだなー?」



こっちを見て、桐谷陸がにこっと笑っている。



やばいやばいやばい!!!



その笑顔は反則!!!



あたしはすっかり虜にされてしまったようだ。




「はいッッお久しぶりですねー!!先月の亮の誕生日以来ですよね?!」



栞でさえ緊張している様子。


その時、彼の視線が栞からあたしに移った。



どきッッ・・



「あれ?見たことねぇ顔だけど、栞の友達?」



「あ、この子はあたしの中学からの友達で奈緒です!ね!?奈緒!?」



「え?!・・・は、はぃいいッ」




あーーー

あたしの馬鹿馬鹿!!思い切り声が裏返ってる。

そして栞のばかーーー!

急に話をふらないでよ…心の準備ってもんがあんのにぃ・・



顔がどんどん紅潮していくのがわかる。



「くっくっく・・・へぇ~・・かわいーじゃん?よろしくね?」


笑顔がすごく綺麗で。


二重瞼から伸びている長いまつげが揺れて。


そんな整った顔立ちに目が釘付けになった。




桐谷陸は右手を差し出し、握手を求めてきた。


どきどきしながら手を差し出すと、ぎゅっと握られてしまった。


< 14 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop