乱華~羽をくれた君~【完】
「栞、久しぶりだなー?」
こっちを見て、桐谷陸がにこっと笑っている。
やばいやばいやばい!!!
その笑顔は反則!!!
あたしはすっかり虜にされてしまったようだ。
「はいッッお久しぶりですねー!!先月の亮の誕生日以来ですよね?!」
栞でさえ緊張している様子。
その時、彼の視線が栞からあたしに移った。
どきッッ・・
「あれ?見たことねぇ顔だけど、栞の友達?」
「あ、この子はあたしの中学からの友達で奈緒です!ね!?奈緒!?」
「え?!・・・は、はぃいいッ」
あーーー
あたしの馬鹿馬鹿!!思い切り声が裏返ってる。
そして栞のばかーーー!
急に話をふらないでよ…心の準備ってもんがあんのにぃ・・
顔がどんどん紅潮していくのがわかる。
「くっくっく・・・へぇ~・・かわいーじゃん?よろしくね?」
笑顔がすごく綺麗で。
二重瞼から伸びている長いまつげが揺れて。
そんな整った顔立ちに目が釘付けになった。
桐谷陸は右手を差し出し、握手を求めてきた。
どきどきしながら手を差し出すと、ぎゅっと握られてしまった。