乱華~羽をくれた君~【完】
儚いもの---side Yuri---
----side
Yuri-------------
陸があたしを包みこんでくれた。
大きくて優しくて暖かい。
ドキドキするんだけど落ち着く。
とても大切な存在・・・
付き合ってから3ヵ月が経った。
あの日からあたしも学校には行ってない。
陸がいない学校は行っても意味がないしつまらない。
陸は乱華の総長になった。
14歳の若さで総長になることは異例だそうで・・・。
始めはあたしも暴走族なんて恐いと思っていたけど、そこにいる陸は生き生きしていて、見ているこっちまで楽しい気分にさせてくれる。
もう初めて出会った頃のあの無愛想だった彼はどこにもいない。
仲間をまとめ、年上の人達にでさえ尊敬され、本当にかっこよかった。
チームも関東の中で一番強い地位まで上り詰め、暴走族の間では陸の名前を知らない人はいないくらいだった。
でも・・楽しいばかりでもない。
色んな喧嘩に首を突っ込む陸は見ていられなかった。
心配するといつも決まって、「ぜってー勝つから心配すんな」って笑って言う。
確かに陸は強い。
・・・でも心配しないなんて無理。