乱華~羽をくれた君~【完】
数日後、あたしは街にいた。
~~~♪
陸からのメールは着信音でわかる。
【ごめん、ちょっと寄るとこあるから先にオレんちに行ってて?】
「えー・・・どこ行くのよー」
あたしは一つため息をついて、待ち合わせ場所を後にした。
今日はあたしの14歳の誕生日で、久々に陸んちにお泊りする。
泊まるのは今日で3回目。
でも陸はキス以上はしてこない。
まぁ、大事にされてるってことなんだろうけど、あたしはもういいのにな・・・。なんてネ。
「ギャハハハハまじかよ」
「ありえねー・・・」
陸のアパートの近くで、ガラが悪い人達がたむろっていた。
やだな・・・すぐそこが陸んちなのに遠回りしたくないし・・・
小走りに行けば平気だよね…
俯いたまま足早に歩いた。
その時・・・
「あ、きたんじゃねー?」
「あれだろ?桐谷の・・・」
陸の名字を聞いて反射的に振り向いてしまった。
5,6人の男達が一斉にあたしをかこんだ。