乱華~羽をくれた君~【完】


手を縛られ、口にはガムテープを貼られた。


ワンボックスカーの後部座席に無理やり押し込まれる。


男達がニヤニヤと笑いながら乗り込んできた。



・・・こわい・・・どこに行くの!?



手足はガチガチに震えていた。



着いた先は普通の一軒家のようだった。


家に明かりはついていない。



「宇都宮さん、今なら誰もいません」


「よし、おろせ」


リーダーっぽい男は宇都宮という名前だということがわかった。


宇都宮の言葉に男たちは一斉に車の外に出て、あたしを引っ張りだした。



「ん~・・・!!!」



めいいっぱいの力で振りほどこうとしたけど、6人の男の力に勝てるはずがない。

家の中に入れられると階段を上らされた。

そして階段を上りきってすぐ手前の部屋へ放り込まれる。



ビリッ!



「いたっ」



勢いよくガムテープがはがされた。



「あーらら赤くなってら。かわいそうに」



男はあたしの目の前でしゃがみこみ、余裕の笑みを浮かべる。



「・・・こんなことしていいと思ってんの・・・後で酷い目に会うんだから!」


「もう酷い目に合わされてんだよこっちは!」



すぐ近くにいた、がたいの良いボーズ頭の男に怒鳴られた。




「・・・何が目的なの・・・?」


< 146 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop