乱華~羽をくれた君~【完】
手を縛られ、口にはガムテープを貼られた。
ワンボックスカーの後部座席に無理やり押し込まれる。
男達がニヤニヤと笑いながら乗り込んできた。
・・・こわい・・・どこに行くの!?
手足はガチガチに震えていた。
着いた先は普通の一軒家のようだった。
家に明かりはついていない。
「宇都宮さん、今なら誰もいません」
「よし、おろせ」
リーダーっぽい男は宇都宮という名前だということがわかった。
宇都宮の言葉に男たちは一斉に車の外に出て、あたしを引っ張りだした。
「ん~・・・!!!」
めいいっぱいの力で振りほどこうとしたけど、6人の男の力に勝てるはずがない。
家の中に入れられると階段を上らされた。
そして階段を上りきってすぐ手前の部屋へ放り込まれる。
ビリッ!
「いたっ」
勢いよくガムテープがはがされた。
「あーらら赤くなってら。かわいそうに」
男はあたしの目の前でしゃがみこみ、余裕の笑みを浮かべる。
「・・・こんなことしていいと思ってんの・・・後で酷い目に会うんだから!」
「もう酷い目に合わされてんだよこっちは!」
すぐ近くにいた、がたいの良いボーズ頭の男に怒鳴られた。
「・・・何が目的なの・・・?」