乱華~羽をくれた君~【完】
陸・・・
陸・・・
陸、ごめんね・・・
心の中で何度もつぶやいた。
あたしの中で男達は順番に果てていく。
その様がなぜか滑稽で笑えた。
「なんだ・・・この女笑ってやがる」
「頭イカレちまったんじゃねーか?」
「ハッ・・この女も終わりだな。あいつの怒りに満ちた顔が早くみてぇよ」
宇都宮は破れた服を乱暴に着させた。
そして「人気のないとこに捨ててこい」と言うと、部屋を出て行った。
「おい、この事サツや周りに言うなよ。お前の男殺されたくなけりゃな」
高笑いした男達は、あたしを車から降ろすと逃げるかのように、アクセル全開でその場から立ち去った。
携帯を見ると陸からの着信とメールが何件かきていた。
“なんで電話でねーんだよ”
“今どこにいんだ??”
たった数時間前まで普通の生活を送っていた。
幸せに満ちていた毎日。
・・・一体何が起こったの・・・?
ねぇ陸・・・
あたし何か悪いことしたのかなぁ…
ただ陸を好きなだけなのに。
どうして・・・
・・・もう何も考えたくない。
あたしは自分の部屋にたどり着くと、その場に崩れ落ちた。