乱華~羽をくれた君~【完】
ピンポーン・・
次の日の朝、お母さんの声で目が覚めた。
玄関で誰かと話している・・・
「あら、陸くん?朝早くにどうしたの?」
「すみません、百合さんと連絡とれなくて・・・家にいますか?」
陸の声!!
あたしは急いで破れた服を脱ぎ捨て、違う服に着替えた。
「百合ー??陸くん来てるけど上がってもらっていいのー?」
勢いよく部屋のドアを開けて玄関に向かう。
そこには変わらない陸の笑顔があった。
「・・・何で電話でねーの?」
「ご・・・ごめん、上がって?」
本当なら朝から陸に会えてすっごいすっごい嬉しいはずなのに・・・
今は直視できない。
陸はあたしの部屋に入ると綺麗に整えてあるベットにどっかり座った。
「・・・寝てねーの?」
乱れていないベットを眺めて不思議そうに問う。
一瞬びくっとするものの、精一杯の笑顔を作った。
「あ・・・昨日ごめんねっ実は急に具合悪くなっちゃってさぁ!家帰ってきて床で寝ちゃって・・・」
「・・・ふうん」
陸はあたしの目の前にしゃがみこみ、優しく頬に手を添えた。
「連絡くらいよこせ、心配すんだろ」
「う・・・ん・・・」
やばい・・・泣きそう・・・
「てか・・・頬腫れてねぇ?」
そう言い、あたしの頬をじっと見つめる。