乱華~羽をくれた君~【完】
「・・・おい陸・・・今のどういうことだよ・・・」
「わかんねぇ・・・」
いくら考えても、思い当たる事が見つからない。
しいていえば百合の態度が最近ちょっとおかしいくらいで・・・
百合・・・
百合!?
俺はあることに気づき、すぐに百合の携帯に電話した。
~~~♪
しかし、何度かけても留守電に繋がってしまう。
「ま・・・まさか百合の事か!?」
広樹が青ざめた顔になっている。
「うそ・・・でしょ!?」
美由紀も心配そうに見つめる。
「・・・そんなわけねーんだよ・・・あいつずっと普通だったし・・・なんもいわねーし・・・」
携帯の発信ボタンを何度も押しながら俺は自分に言い聞かせているようだった。
・・・でも俺はこの時気付いてしまった。
あの日・・・百合の頬が腫れていた。
もしかしたら・・・
でも、俺の思い違いであってほしい・・・
しばらくかけ続けたが何度かけても同じだった。
諦めようとしたその時、百合から電話がかかってきた。
「おい!百合か!?」
「ーーーー・・・りくくん・・・?」
百合とは違う声。
「え・・・あの・・・」
「あ・・・百合の母です・・・」
なんで百合の携帯に母親が・・・?
不審に思っていると、思いがけない事を言われた。
俺はその百合の母親の声を、言葉を、一生忘れないだろう。