乱華~羽をくれた君~【完】
もう動けねぇよ・・・
百合・・・わりぃなこんな事しかできなくて。
でも・・・俺もすぐそっちに行くから。
寂しい思いなんてさせねーから。
俺は静かに目を閉じた。
・・・その時・・・
ファンファンファンファン・・・
遠くからパトカーが数台近づいてくる音がした。
「くっそ・・・サツかよっ・・・」
宇都宮がパイプを地面に投げた。
「おめーら!寝っ転がってねーで起きやがれ!サツくるぞ!」
その声に今までぐったりしていたチームの奴らがゆっくりと起き上がり、自分達の単車に乗り込んだ。
今捕まったら乱華の奴らまで鑑別行きだ・・・
近くにあった、宇都宮が放り投げた鉄パイプを杖にして起きあがる。
単車になんとかまたぐことができた。
思い切りエンジンをふかす。
なんとかその場から遠ざかる事はできたが、意識が朦朧としているため、どこをどう走っているのかわからない。
俺はビルの路地裏に単車を停めると同時にずり落ちた。
このままここで出血多量で死ぬのも悪くねーか・・・
大好きな単車も一緒だしなぁ・・・
意識が遠のいていく。
~~~♪
携帯が鳴る。それもしつこい位かかってくる。