乱華~羽をくれた君~【完】
な・・・んだよ・・・ゆっくり死なせてくれよ・・・
携帯を見ると広樹からだった。
シカトしていたが、何度も何度もかけてくる。
「・・・あい」
たまりかねて俺は電話に出た。
『陸!!今どこにいんだよ!?』
「・・・しんねー・・・どっかのビルんとこ・・・」
『・・・死ぬなよお前まで』
広樹の声が震えている。
「ハハッ・・・なに?・・・泣いてるわけ?」
『うっせーな・・・とにかく、変な事考えんな!百合は・・・百合はそんな事望んでねーからな!』
「・・・わかったよ・・・」
『今みんなとそっちに向かってっから・・・ぜってー死ぬなよ・・・』
・・・おせっかいな奴だよな広樹は・・・
百合もそうだった。
サツを呼んだのはお前か・・・?
広樹に電話させたのはお前なのか・・・?
あいつらは初めて会ったときからそうだった。
俺がシカトこいてもめげずに話しかけてきた。
友達になりたいと本気で言ってきたな・・・
変わったモノ好きな奴らだなって・・・
でも知りあっていくうちに、一緒にいるのが当たり前になってた。
俺はそれが恐かった。
どうせいつか離れていく。
それならこんな気持ち、知らないほうがいいと。
やっぱりそうしておくべきだった。