乱華~羽をくれた君~【完】
コクンと頷き、自分の胸元へと抱き寄せてくれた陸さん。
温かくて優しくて。
陸さんの心臓の音が聞こえて安心する。
「百合さんのお墓参りは行ったことあるの?」
「・・・場所わかんねーんだよ。百合んちにあれから行ってねーし、理香子にも・・・自然と百合の話は禁句って感じにさせちまったからな・・・」
「じゃあ行こうよ」
「え?」
「百合さんちに一緒に行こう。本当の事、ちゃんと話そう!?そしてお墓参りも・・・あたしも百合さんに挨拶したいし・・・」
「・・・わかった。ありがとな」
穏やかな表情でそう言うと、あたしの頬を両手で優しく包みこみ、キスをした。
「・・・俺、もうあんたなしじゃ生きていけねーかも」
「そんなの、あたしもだよ?」
するともう一度キスをし、今度は温かい物が口の中に入ってくる。
息が苦しくなった。
それでもあたしを放さないとばかりに次々と求められるキス。
だんだん激しさがましていく。
でも不思議とこの前のような恐怖感は一切ない。
逆に愛おしくて…離したくない。
陸さんはあたしを下にすると頬に首筋に唇を這わせた。
ビクンと身体が震える。
フッと陸さんの力が緩んだ。
「わりぃ・・・恐いよな・・・」