乱華～羽をくれた君～【完】

「ほ･･･本当なの？」


「ああ。もうお前に心配かけることはしたくない。それに･･･そろそろ潮時かと思ってたしな。」



陸さんをぎゅっと抱きしめた。



「うん･･･ありがとう･･･本当はずっと不安だった。喧嘩とか･･･してほしくなかった」


「ん･･･もうしねーよ、絶対。約束する」



そう言ってあたしの胸元にあるネックレスを触った。



「これ･･･ずっとしててくれてんだな」



その言葉にハッとする。


そう、陸さんに買ったネックレス!!

渡せずにずっと引き出しの奥にしまったままだ。



「あ･･･ちょっと待ってて!!」



急いで着替え、引き出しの中を探った。


あった･･･


綺麗にラッピングされたままの小さな箱。



「なんだよ急に？」



後ろから覗こうとする陸さんの目の前に差し出した。



「え？なにこれ」


「プレゼント･･･受け取ってくれる？」


「俺、誕生日秋だけど･･･？」


「いいのっただあげたくて…。いつもお世話になってるから･･･そのお礼に･･･」




陸さんは無言で受け取り、リボンをほどいた。


ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ･･･


気に入ってくれるといいけど･･･


箱の中からキラリと鈍い光を放った、シルバーのネックレスを取り出した。