乱華~羽をくれた君~【完】
「・・・ネックレス?」
そう言い、すぐに自分の首につけてくれた。
「・・・どう?」
はにかんだような笑顔で見つめてくる。
すっごくすっごく似合ってる・・・!!
これ・・・一度夢で見た。
現実・・・なんだよね?
そう思うと泣けてくる。
「うん、似合うよっ」
「・・・ありがとな」
陸さんはあたしの頭をくしゃっとなでた。
「でも・・・これ高かっただろ」
「ううん、陸さんにもらったこのネックレスよりはるかに安いよ、ごめんね。もうちょっと良いものあげたかったんだけど・・・」
「いや、十分だよ。てか、お礼とかいらねーし。・・・もうお前さえいればそれでいいんだよ」
頬に軽くキスを落とし、抱きしめられた。
それからあたし達は何度も何度も口づけを交わし、抱き合った。
あたしこんなに幸せでいいのかな・・・
今までずっと波瀾の人生を送ってきたから“幸せ”に慣れてない。
だから余計に不安になってしまう。
この幸せが壊れてしまったらどうしよう。
でも…昔の弱いあたしはもうどこにもいない。
この幸せを守ることができるのならば、この先どんな事があろうとも乗り越えてみせる。