乱華~羽をくれた君~【完】
そういう事を面と向かって言われると恥ずかしくなる。
確かに陸さんに出会ってあたしは変わった。
自分でも強くなったってわかるくらい。
「でもさ、それは栞がいてくれたからってのもあるよ?本当に沢山助けられたもん。栞がいなかったらこんな世界知らなかったし、陸さんとも出会ってなかった。だからすごく感謝してるよ」
「奈緒~~~っ本当に良かったね~~っ」
栞が目を潤ませながら抱きついてくる。
本当に栞がいなくて陸さんにも出会ってなかったら、あたしは今なにをしていたんだろう?
きっとあの家で未だに義父の言いなりになっているに違いない。
今のあたしがいるのはここにいるみんなのおかげなんだ。
「なに女同士で抱き合ってんだよーっ今日は俺が主役なんだから俺様に抱きつけ!」
栞の隣にいた亮輔さんがこっちに向かって大きく両手を広げた。
「いーのっ女同士の会話に首つっこまないでくれる!?」
「わ・・・ひどーいっ」
しょんぼりしている亮輔さん。周りから笑いが起こった。
「亮っ!おめーは結婚したら尻に敷かれるタイプだな」
あたしの隣に座っていた陸さんが笑って言った。
「むっ・・・そんな陸こそ奈緒ちゃんには弱えーだろ!?なんかぁ最近幸せそうな顔しちゃってさぁ~」
亮輔さんの言葉にみんな興味津々といった顔つきで見てくる。