乱華~羽をくれた君~【完】
困っていると陸さんはフッと鼻で笑い、意地悪そうな笑みを浮かべる。
「じゃーチューしてよ。俺うごけねーし」
「え!?」
「してくれたら病院も行くし大人しくすっから」
「な・・・なにその条件・・・」
「してくれんの?してくれねーの?どっち?」
急かすようにあたしの顔を覗きこんでくる。
「わかった・・・!!するよ!する!!!」
意を決して陸さんにキスをした。
触れるか触れないかの軽いキス。
「・・・これだけ?」
物足りなさそうな目で見つめてくる陸さん。
「もう無理無理無理――――――!!」
あたしは少し離れたとこで体育座りをし、両手で顔を覆った。
恥ずかしすぎて顔が熱くなってくるのがわかる。
「・・・わかったよ。今は我慢してやるかぁー」
そう言い、陸さんは冷えたタオルを顔に押さえ付け、寝転んだ。
この人は何度あたしをドキドキさせれば気が済むのー!!!
でも・・・さっきまでの不安な気持ちが消えている。
陸さん、わざとこういう事して気を紛らわせてくれたのかな・・・