乱華~羽をくれた君~【完】
広樹さんが帰り、台所でコップを洗っていると後ろから陸さんが抱きついてきた。
「り、陸さん!?」
「お前さぁ・・・なんでまたあいつと二人っきりになってんの?」
「だ・・・だって偶然会ったんだもん・・・それに広樹さんなら大丈夫だよ!」
「広樹でも誰でも、俺以外の男と二人っきりになんな」
ぎゅっと抱きしめる力を強めてくる。
あたしは心臓が飛び出そうになるくらいドキドキしていた。
持っていたコップを落としそうになる。
「お前は隙がありすぎる。荷物あんなら俺呼べよ」
「まだ完全に治ってないんだからだめだよ!」
「んなの関係ねー。もう平気だし」
あたしの首元から服の中に手を入れてこようとする陸さん。
「ゆ・・・夕飯作らなきゃ!!!」
それでも力を緩めてくれない。
「飯なんてあとでいい。」
そう耳元でつぶやき、あたしの耳を甘噛みしてきた。
体がビクンと反応する。
そのまま首筋を這われた。
顔が熱くなってるのがわかる。こんな顔陸さんに見られたら・・・
「陸さん・・・だめだよっ・・・」
「何が?結構感じてるように見えるけど」
後ろを振り向くと、口角をあげ、いじわるそうに微笑む陸さんがいた。