乱華~羽をくれた君~【完】
2人の息遣いが重なる。
そっと目をあけると、あたしがあげたネックレスが、陸さんの首元で揺れていた。
あたしは今、最高に幸せなのかもしれない。
時折見せる、陸さんの挑発的な目が、あたしの心を熱くさせる。
そして陸さんの身体に滴る汗が妙に色っぽく、より艶やかに見せた。
その妖艶な姿に、あたしは虜にされていた。
外はすっかり暗くなっていた。
あたしはぐったりとソファに横たわっていた。
カチッ
ライターで火をつける音がすると、たちまち煙草の匂いが部屋中に漂い始める。
あたしはそれを横目でボーっと眺めていた。
煙草を持つ綺麗な手、指先、それをくわえる整った横顔、長い睫毛、サラサラの髪の毛。
全てが愛しい。
この人が本当にあたしの彼氏なんて未だに信じられない。
じっと見つめていると、ふいに陸さんと目が合ってしまった。
「・・・なに見てんの?」
片方の口角だけ上げ、そっとあたしの前髪に触れる陸さんの綺麗な手。