乱華~羽をくれた君~【完】
陸さんの顔を見ようとした瞬間、今度はクッションを顔に押し当てられる。
「ちょ・・・ちょっと!?」
「見んじゃねーよ!」
相当恥ずかしいのか、絶対に顔を見せようとしない陸さんが可愛く思えた。
あたしが何度かクッションの隙間から顔を覗きこもうと格闘してると、頭を両手で押さえつけられ、口を塞がれた。
「んっ・・・」
煙草の香りが口に広がる。
そっと唇が離れ、お互いに目が合う。
それはさっきまでのふざけた態度からは一転、真面目な顔をしていた。
「・・・明日、百合んちに行こうと思ってる」
「・・・うん」
「一緒について来てくれるか?」
コクンをあたしが頷くと、ぎゅっと頭を抱き寄せてくれた。