乱華~羽をくれた君~【完】
「奈緒って料理するよね?」
「するけど…簡単な物しか作れないよ?」
「じゃあ、ちょっと凝ったもの作ってあげるってどうかなぁ!?」
栞の提案に、一瞬いいかも!と思ったが、すぐに、失敗したらどうしようと不安にかられた。
陸さんちではたまにごはん作ったりしてるけど、野菜炒めとかパスタとか、焼き魚とか…誰にでもできるような物しか作ったことなかった。
「料理、自信ないんだよね…」
「難しい料理でも今は簡単に作れちゃうレシピとか売ってるよ!?本屋行ってみようよ!」
半ば栞に無理やり本屋に連れて行かれ、料理コーナーの前で何冊か眺めてみた。
色んなレシピ本があって、優柔不断なあたしは、どれがいいのか決められない。