乱華~羽をくれた君~【完】
「陸さんの好きな食べ物は?まずは洋食か和食か中華か決めようよっ」
まるで自分の事のように真剣に考えてくれている栞に、感激してしまう。
「肉系が好きかな、やっぱ体動かす仕事してるし…」
前に一度、ハンバーグを作ってあげたことがあった。
しかし外はコゲコゲ、中は半生状態で、おせじでも美味しいといえるものではなかった。
それなのに陸さんは何も言わず全部食べてくれたっけ…
そういう事を思いだしたら、恥ずかしくなってきた。
次はちゃんと美味しいものを食べさせてあげたい。
なんだかやる気出てきた。
陸さんがいない時に何回か練習すればうまくいくかもしれない。
栞と悩んだ結果、メニューは豚の角煮に決定した。
そして最後に手作りケーキでカンペキ!
あたしは角煮の作り方が載っているレシピ本を買うことにした。