乱華~羽をくれた君~【完】
「決まって良かったじゃん!あとはプレゼント買うんでしょ?」
「うん、マフラーあげようと思ってるんだ」
外の仕事だから、これからの季節寒いと思うし。
あたしと栞は本屋を出ると、タクシーでいつものたまり場へ向かった。
今年いっぱいで、陸さんは乱華を引退する。
だからこんな風にみんなと会えることもなくなるんだろうなって思ったら、少し寂しくなった。
「あれ、なんか今日知らない子達来てるね?」
栞の声に周りを見渡すと、見慣れない女の子達がたくさんいた。
キャバ嬢っぽい感じの、派手なギャルばかり。
その時、恵美が側に寄ってきた。
「奈緒、栞おひさぁ~~~!!」
久しぶりに恵美と会ったが、相変わらずテンションが高い。
今日も片手に酎ハイの缶を持っている。