乱華~羽をくれた君~【完】
「アハハハ」と甲高い笑い声と共に、恵美は友達の所へ行ってしまった。
その後姿を見ていた栞が、ハァ―っとため息をついた。
「…気にしない方イイよ、陸さんはモテるけど浮気するような人じゃないでしょ?」
「う、うん…」
それはそうなんだけど、あんなに可愛くてオシャレな人達が、陸さん目当てで来てるなんて、…ちょっと不安が押し寄せてきた。
「あ、ごめん電話だ」
電話に出た栞は血相を変えてしゃべっている。
何かあったんだろうか…
「…どうしたの?」
「妹が熱出したみたい…うちのババァ今仕事休めないからさぁ…帰らなきゃなくなったぁ」
「そうなんだ!じゃあ早く帰ってあげなきゃ!」
栞が心配そうな顔であたしを見つめた。
「大丈夫?…さっきの事、気にしてるんでしょ?」
栞にはあたしの考えてることがすぐわかっちゃう。
「うん、ちょっとね…でも平気だよ!ありがとう」