乱華~羽をくれた君~【完】
陸さんがバイクから降りるのと同時に、近くにいたギャルたちが陸さんの元へ走って行った。
あたしは彼女なのに、なぜか足が動かない。
陸さんは女の子達に囲まれていたが、うざそうにしていた。
その様子を見て、少しほっとしてしまった。
「あ!奈緒ちゃんー!!」
少し遅れてその場に辿り着いた亮輔さんが、単車から降りてあたしの所に走ってきた。
「亮輔さん…」
「あれ?陸もう来てるよな?」
そう言って周りを見渡す。
「はい…そうなんですけど、なんか近寄れなくて…」
「あー、今日は特に見物客多いからなぁ…んまぁ、陸の事は心配しなくても大丈夫だよ」
亮輔さんに無理やり笑顔を作ってみせた。
「そういえば栞から連絡いってます?」
「ん、さっきメールきてた」