乱華~羽をくれた君~【完】


そこにはイラついた表情の陸さんがいて…



「翔真、こいつにはそーゆー事しないでくれる?」




ドキンと胸が高鳴った。


あたしの事見ていてくれてたんだ…




「おい陸~!たかが握手だろっ何走ってきてんだよ」




亮輔さんが横で苦笑いした。




「たかが握手…じゃねーんだよ。…なぁ、翔真?」




意味深な言い方をして、翔真さんの方を見た。



え?どういうこと?




すると翔真さんが突然クックックと笑い出した。




「あ~あ、陸にはお見通しかよ、つっまんねぇー」





そう言って手のひらを広げると、そこにはべったりとついたガムが。




「えッ!!!」




思わず声をあげてしまった。


もし陸さんに止められずに握手していたら、あたしの手にあの汚いガムがっ…



想像したらゾッとした。


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