乱華~羽をくれた君~【完】
何この人…陸さんの威圧感にもこの態度でいられるなんて…
胸倉を掴まれたままなのに、屁でもない表情をしている。
陸さんも呆れて手を離した。
「…お前も相変わらずだよな、そーゆーとこムカつく」
「そ?ごめんね自由で」
そして、「じゃ、また!」と、どこかへ行ってしまった。
あたしはただ茫然とその後ろ姿を眺めていた。
なんだか、嵐のような人…
「亮、オレもう帰るから」
陸さんはあたしの手を掴んだ。
「え!?もう帰るのかよ!?」
「んあー、なんか気分わりーし、あとの事よろしく」
そう言ってあたしの事を単車の前まで力強く引っ張って行った。
なんだか怒ってるみたい…
原因はやっぱり翔真さんにキスされたことだよね…