乱華~羽をくれた君~【完】
なんだか気まずくなってしまった。
あたしを後部座席に座らせると、頭にメットをかぶせてきた。
「本当に…もう帰っちゃっていいの?なんか…あたしのせいだよね?」
「お前のせいじゃねーし、あいつのせーだし」
翔真さんの方を顎でしゃくった。
「翔真さんって…昔からの友達なの?」
「まぁな、チームは別だけど仲は良かったな。あいつってさ、結構さっきみたいな悪ふざけするから。オレも引っかかった事何回もあるし」
「え!陸さんが?」
「コーラやるって渡されて、飲もうと開けたらブッシャ―――――ってふいて。おかげで服ずぶ濡れ」
「……振ったんだ」
「そーゆーくだんねぇことばっかやるやつだよ」
嫌そうに言いながらも、笑ってる。
あんな人でも、キライではないようだ。