乱華~羽をくれた君~【完】
「へぇ、この子が陸の女かぁー」
隣にいた男も軽そうな感じだった。
すると、陸さんの事を好きだと思われるショートボブの女の子が口を開いた。
「この前は突然ごめんね~。あたし達も買い出し手伝うよ!何買えばいい?」
着ていた白のワンピースはウエストがきゅっと締まっていて女の子らしい。
あたしはというと…上着の中はショーパンにロンT。
陸さんの誕生日会だっていうのに…
もっとマシな格好してくればよかった。
「じゃあ飲み物選んできてくれるー??」
栞がその子に頼んだ。
他の子が呼んでるのを聞いたが、その子の名前は沙織(さおり)さんというそうで、とても感じの良い子だった。
だから余計に気にしてしまうのかもしれない。
それに、この前陸さんがこの子に向けていた笑顔を思い出して…
また嫉妬心が出てきてしまう。