乱華~羽をくれた君~【完】
頭を冷やして、笑顔で陸さんを迎えよう。
――――――ガラッ…
翔真さんがベランダにやってきた。
「うわっ…あんた外で何やってんの?」
「え、いや…あのー」
「まぁどうでもいいけど」
……なにそれ。
「しょ、翔真さんはどーして?」
「俺はコレ」
そう言って煙草の箱を見せてくる。
「中で吸えばいいのに」
「…一応人んちだし」
へぇ、そういう事はちゃんと考えてるんだ。
頭なのに意外と律儀なとこあるんだな。
じっと見つめていると、ふいに目が合ってしまった。
「なに?きもいな見つめてきて」
…こういうことズバリ言われると傷つく…
「見つめてませんって!」
「あんたさ、何か悩んでる?さっきから顔が陰気くさいんだけど」