乱華~羽をくれた君~【完】
陰気くさいって…もともとこういう顔なんだってば。
「悩んでない…といったら嘘になりますけど」
翔真さんは遠くを見ながらフ―――っと煙を吐き、ニヤリと笑った。
「わかったー。沙織のことでしょ?」
「えっ!?」
バッチリ当てられてびっくりしてしまう。
「クッ。わっかりやす」
「な、なんで!?」
「沙織、陸の事憧れてっからなぁー。で、なに?沙織を見て自信なくなっちゃったぁ~ってとこ?」
あまりにも馬鹿にしたような言い方にムカついてしまった。
無言でいると「ばからしっ」とつぶやかれた。
「そんな事で自信なくすとかって。陸を信じてねーんじゃん」
「違います!」
「ちがくねーし。あんた、陸の気持ちが沙織にいくんじゃねーかって思ってんだろ?」
「………」