乱華~羽をくれた君~【完】


確かにちょっと思ってしまった。


だってあんなにカンペキな女の子が近くにいるなんて。



「信じろよ、あいつのこと。あいつはさ、お前と付き合ってイイ感じに変わったし。それはオレも認める」



「…ハイ…」




信じてる。信じてるけど……




その時、肩にポタッと何かが落ちた感触があった。



背中が凍り付く。



そろぉりと見てみると、想像した通りのものが肩にいた。




「ひぃいいいッ…ぐ、ぐ、ぐもっ…」




あたしは声にならない声で叫んで翔真さんにしがみついた。




「ブアッハッハッハッ!」



勢いよく笑い出す翔真さん。



「え!?」




「あんたのその顔っ……まじウケるしっ…」



お腹かかえて笑っている。



そしてウッドデッキに落ちた蜘蛛を、ひょいっとつまんだ。



………なんてことするのーーーーーーーーーーーーー!!!



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